データベース 2026-06-29 ⏱ 約 5 分

Maybe Postgres Is Enough:別のDBを足す前にPostgresで足りるか考える

キャッシュや全文検索のために別のミドルウェアを足す前に、Postgresで足りないか確認したい。postgresisenough.devを参考に、用途ごとの代替機能を一覧で簡潔にまとめる。

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Maybe Postgres Is Enough:別のDBを足す前にPostgresで足りるか考える

概要

キャッシュにRedis、全文検索にElasticsearch、ジョブキューにSidekiq、と用途ごとに別のミドルウェアを足していくと、気づけばアプリは多数のデータストアに依存している。それぞれにデプロイ・バックアップ・監視・障害対応が必要になり、運用コストは膨らむ。

postgresisenough.devは「別のDBを足す前にPostgresで足りるか確認しよう」という考え方を提示している。本記事では、その用途ごとの対応を簡潔にまとめる。

用途ごとの対応一覧

やりたいことに対して別ミドルウェアへ飛びつく前に、まずPostgresの機能で代替できないか検討するとよい。

やりたいこと よく足すもの Postgresの機能
キャッシュ Redis、Memcached UNLOGGEDテーブル、マテリアライズドビュー
ジョブキュー Redis+Sidekiq、RabbitMQ SKIP LOCKED、pgmq、pgflow
全文検索 Elasticsearch、Algolia tsvector、pg_trgm、ParadeDB
ドキュメントストア MongoDB、CouchDB JSONB、FerretDB
ベクトル検索/AI Pinecone、Weaviate pgvector、pgvectorscale
時系列データ InfluxDB、TimescaleDB TimescaleDB、pg_partman
分析/OLAP Snowflake、BigQuery pg_analytics、DuckDB連携
グラフDB Neo4j、Neptune Apache AGE、再帰CTE
地理空間 専用GISシステム PostGIS

各機能の概要

表のPostgres機能を、用途ごとに簡単に解説する。

キャッシュ

UNLOGGEDテーブルはWAL(先行書き込みログ)を省くため書き込みが速い。クラッシュで中身が消える代わりに、揮発キャッシュとして使える。マテリアライズドビューは重い集計結果を保存し、REFRESHで更新しながら高速に読み出せる。

ジョブキュー

SELECT ... FOR UPDATE SKIP LOCKEDはロック中の行を飛ばして取得する。複数のワーカーが競合せずに仕事を取り出せるため、テーブルを簡易キューにできる。pgmqはキュー、pgflowはワークフローを提供する拡張である。

全文検索

tsvectorは文書を検索用に正規化し、転置インデックスで高速に探す。pg_trgmはトライグラムで部分一致やあいまい検索を助ける。ParadeDBはBM25スコアの本格的な検索を載せる拡張である。

ドキュメントストア

JSONBはJSONをバイナリで格納し、インデックスを張れる。スキーマレスなデータをそのまま扱える。FerretDBはMongoDB互換のAPIをPostgresの上で提供する。

ベクトル検索/AI

pgvectorはベクトル型と近傍検索を追加し、埋め込みの類似検索を可能にする。pgvectorscaleは索引を強化し、大規模なベクトルでも速度を保つ。

時系列データ

TimescaleDBは時系列向けの拡張で、テーブルを自動分割して書き込みと集計を速くする。pg_partmanは時間や範囲でパーティションを自動管理する。

分析/OLAP

pg_analyticsは列指向で分析クエリを速くする。DuckDB連携を使えば、集計やファイルの直読みをPostgresから扱える。

グラフDB

Apache AGEはopenCypherでグラフを問い合わせる拡張である。再帰CTE(WITH RECURSIVE)を使えば、拡張なしでも階層やグラフを辿れる。

地理空間

PostGISは地理空間型と関数、空間インデックスを追加する。距離や交差の計算を標準SQLで書ける。

まとめ

ストアを1つ増やすたびに、デプロイ・監視・障害対応の面が増える。まずはPostgresで足りるかを確認する。これだけで構成はかなり単純になる。

参考

Tags: PostgreSQL アーキテクチャ
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