プロダクションレディマイクロサービス ―運用に強い本番対応システムの実装と標準化を読んだ。
マイクロサービスを本番運用するために満たすべき要件を、安定性・信頼性・スケーラビリティ・パフォーマンス・耐障害性・モニタリング・ドキュメンテーションといった観点で整理し、標準化に向けたチェックリストとして提示している本。
著者のUberでの経験をベースに、マイクロサービスを「作って終わり」ではなく「運用に耐えるレベルに引き上げる」ためにどんな観点が必要かを網羅的に並べているのが特徴。
新しい知見というよりは、マイクロサービスを運用する上で考えるべきことが体系的にまとまっているので、自組織の標準やプロダクションレディネスチェックを作る際のたたき台として参照しやすい印象だった。
各章末にチェックリスト形式で要点がまとめられているので、リファレンス的に使うのにも向いている。
印象に残った点は次の3つ。
- マイクロサービスを「本番運用に耐える状態」と捉え、開発だけでなく運用観点で評価軸を整理している
- スケーラビリティやパフォーマンスといった非機能要件をサービスごとに継続的に見直すことの重要性が繰り返し述べられている
- ドキュメンテーションや組織的な理解(オーナーシップ、オンコール、SLA/SLOなど)がプロダクションレディの一部として位置づけられている
実装の詳細やコード例は少なく、組織横断で「マイクロサービスの最低限満たすべき品質基準」を合意するための共通言語として使うのが良さそう。
マイクロサービスを既に運用していて、組織として標準化やプロダクションレディネスを推進したい立場の人にとってはとくに参考になる一冊だと思う。