プロダクトマネージャーのしごと 第2版 ―1日目から使える実践ガイドを読んだ。
Matt LeMayによる、プロダクトマネージャー(PM)の日々の業務を扱った実践書。「PMとは何者か」というキャリア論や手法論よりも、「PMの1日に何が起きるか・どう振る舞うか」という日常側に重心がある。
PMに必要なスキルとして、コミュニケーション・組織化・リサーチ・実行の4つ(COREスキル)を据えていて、各章はこのCOREに紐づいた振る舞いの解説と、章末のチェックリストで構成されている。
印象に残ったところ:
- 「過剰コミュニケーションの技術」の章で、「よさそう」「いいですね」のような曖昧な合意を危険信号として扱い、Disagree & Commitなどで意思決定を曖昧なままにしない、という指針が明快。
- 「シニアステークホルダーと働く(ポーカーゲームをする)」という比喩。社内政治の中でユーザー中心主義を貫くための立ち回り、警告なしで驚かさない、といった実務的な原則が並ぶ。
- 「ベストプラクティスのワーストなところ」「アジャイルについての素晴らしくも残念な真実」のように、世にある手法を盲目的に採用しない態度を繰り返し説いている。手法は出発点であって保証ではない、という割り切り。
- 14章「プロダクトマネージャーのなかのマネージャー」は、PMがリードPM/プロダクトリーダーへ移るときに踏みやすい失敗を扱っていて、エンジニアリングマネージャーの本にも近い読み味。
プロダクトマネジメント ―ビルドトラップを避け顧客に価値を届けるが「組織として何のためにプロダクトを作るか」をフレームワークで描いているのに対して、本書は「日々の業務でPMがどう振る舞うか」を泥臭く扱っている。並行して読むと、戦略レイヤーと現場レイヤーが噛み合いやすい。