戦略の要諦を読んだ。
良い戦略、悪い戦略の著者リチャード・P・ルメルトによる続編にあたる本。
前作で示された「診断・基本方針・行動」という戦略の枠組みのうち、特に診断——複雑に絡み合う問題のなかから「要諦(crux)」を見抜くこと——に踏み込んでいる。
印象に残ったポイント:
- 戦略とは、達成すべきゴールから逆算する作業ではなく、取り組むべき課題を絞り込む作業である。
- 多くの「戦略」は、解決可能性を吟味せずに目標と願望を並べただけで、行動につながらない。
- 課題群のなかで、解けば全体が動く一点が「要諦」。そこを見抜き、そこに資源を集中することが戦略の本質。
- 課題を抽象化しすぎず、具体に降ろして観察することが診断の出発点になる。
事例の比重が大きく、ルメルトが企業や組織の戦略を診断していく過程をたどる形式で進む。読み物としても面白く、自分が普段見ている課題に対して「これは本当に解くべき問題か」「もっと小さく絞れないか」と問い直すきっかけになった。
良い戦略、悪い戦略を読んだ人なら、その続きとして自然に読める。先に「良い戦略、悪い戦略」を読んでおくと、用語や前提が共有されているぶん入りやすい。